70.今年もよい年

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午後、日が射していたので、久しぶりにベランダの掃除と鉢花の手入れを2時間ほど。小鳥がパンくずのお礼に落としていく小さなうんちも全部水で流して片づけた。
今年は真っ赤なビオラがたくさん花をつけている。一度、刈り込んだのにわさわさと苺の実みたいに咲いている。いま、他に咲いているのは、コスモス、マリーゴールド、スミレ、ビオラ、アネモネ、ヒヤシンス、沈丁花、ブリムラ(5色)、シクラメン(3色)。ベランダが赤やピンク、オレンジ色でいっぱいだと幸せな気分になるのは、私だけだろうか。

今年(申年)は、いろいろと望みが叶う年なんじゃないかな、って思う。
花もどんどん開いていくし、暖かくなったら薬を減らしましょうとお医者様も言っていたし、こなす体力がついてきたから仕事も増えそうだし、小鳥がくるベランダに、と願っていたことも実際叶った。
よい一年になりますように、と毎年願っている。楽しかったな、と思える一年に。

夜、もう一度『クルージング』を観直す。結末をわかって観たら、最初のほうに犯人が出てきていた!でも、怖いのは変わらなかった。アル・パチーノのダンスのシーンとか、じわじわ来るってこういう感じのことかも。

 

 

68.パンくず

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今週前半の曇天から打って変わって昨日から青空が続いている。たとえ気温が低くても、陽が射すと気持ちが明るくなっていい。昨日は、ベランダにメジロが来て、可愛い歌声を聴かせてくれた。この頃、毎日、何種類もの鳥がやってくる(パンくずをお皿に乗せて外に出しているせい)。世の中は猫ブームらしいけど、私の部屋は野鳥ブーム。賑やかな朝と花の香りに幸せを感じる。

夜は、アル・パチーノを追いかけて、ウイリアム・フリードキン監督『クルージング』を観た。ゲイばかりが襲われる連続殺人事件が起こり、囮として潜入捜査に入った若い警官(アル・パチーノ)が捜査を続ける中で自己が揺らいでいく物語。ハードゲイの世界が舞台になっているので、そっちに話題がいきがちだけど、それはあくまで設定なので、私はそれほど刺激を受けなくて、でも、なんだか後をひく映画だった。ミイラ取りがミイラになるストーリーもそうだし、ラストのアル・パチーノの表情とか。単純にサイコ・サスペンスとして面白かったです。というか、怖かったです。というか、実際、「怖い怖い!」と言いながら観ました。首を傾げたくなるシーンもあったけど、やっぱり最後がね、え?え?え?ええええええっ? みたいな、映画ならではの終り方が良かった。いまのところアル・パチーノ作品にはハズレがない。

 

 

67.曇天鬱々

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ここ数日、曇天が続き、気が滅入ってさっぱり仕事が捗らない。あと二週間もすれば春が来るのに、踏ん張りの効かない自分にもイライラ。
打ち合わせの後、その話をすると、事務所スタッフYが「越智さんのところ(ディリジェンスパーラー)に行って花でも買ってきたらどうですか」と言う。
確かにそれはいい考えかも。
早速電話をして表参道に向かう。
いつも忙しそうな越智さんだけど、運よく余裕がある日だったようで、気晴らしのお喋りに長々とつきあってもらった。
元気が出てきたところでヒヤシンスの切り花を買い、帰宅。
『ゴッドファーザー パート3』の続きを最後まで観る。
パート3は蛇足という意見もあるけど、これはこれで私は面白いと思った(暗いけど)。
そして、相変わらず、花の使い方が素敵だった。

打ち合わせ 越智さんとお茶 ヒヤシンス ゴッドファーザー アル・パチーノ死ぬ
(一日を五・七・五・七・七にまとめてみる試み)

 

 

66.タイトル

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午後、Kさんの時間が一時間空いているというので、カフェで待ち合わせ、いま作っている本の判型の相談に乗ってもらう。
帰宅後、デザイナーのMさんに電話で進行の確認を。一週間のうちに私が決めなければならないことを説明してもらう。山ほどの宿題を与えられた気分。
でも、何と言っても今日の収穫は、タイトルが決まったこと。灯台下暗し、みたいな、一番身近なところに一番しっくりくる言葉があった、という着地点。

夜、『ゴッドファーザー パート2』の後半を観る。ダイアン・キートンがアル・パチーノに別れ話を切り出すシーンでいい色のスーツを着ていた。

 

 

65.若冲土牛

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今年も沈丁花が咲き、ヒヤシンスが咲き、レモンの花が咲き、私の部屋はその香りでいっぱい。幸せすぎて眩暈がしそう。

久しぶりに書く日記、一か月近く間が空いてしまった。できるだけノートにその日思ったことを書きつけるようにしてはいたのだけれど、二月は東京を離れていた週もあったし、仕事も立て込んでいて、日記の体裁をとるのが難しくなってしまった。今年は毎日書くのは難しいかもしれない。できる限りでも続けようとは思っているけれど。その代り連載が増えます。頑張ります。

今日は、母が遊びに来たので一緒に山種美術館へ行った。といっても、今回はメインが若冲と大観で、私は若冲がそれほど好きではないので、ささっと観てきたという感じ。既に一回観ている展覧会だったし。今回の展覧会で気づいたのだけれど、私には、日本画を観ているとき、”絵画”と感じるものと”イラストレーション”と感じるものがあって、どうやら”イラストレーション”的と感じたものはあまり好きではないのだと思う。それをどこで区別しているのか、と問われたら、うまく説明できないのだけれども。ただ、若冲も国芳も私に言わせればイラストっぽい。そして、結局、母と私は、いつも通り、やっぱり奥村土牛の絵はいいわねえ、と話しながら帰ってきた。奥村土牛は私の中で、もちろん”絵画”。日本画家の中で一番ぐらい好き。