48.顔が見える

TLTSA48

頭を使わなくていいような映画が観たくなって、Amazonの動画配信で『ルパン三世』を鑑賞。キャスティングにブーイングの渦だった実写版のあれ。
でも、小栗旬のルパンはそれほど悪くなかった。童顔なのはどうなのかと思ったけど、ひょろっとしているところはアニメのルパンに近い気もしたし、喋り方も山田康雄ルパンをよく真似ていて、栗田貫一がルパンの声をやめたら、小栗旬が後を引き継げばいいのにと思った。
黒木メイサの峰不二子、浅野忠信の銭形警部、綾野剛の石川五右衛門については、まあ、これはこれでいいんじゃないの、という感じ。
だけど、さすがにそれは変だって!と思ったのは、玉山鉄二の次元大介。役者の希望なのか、監督の希望なのかわからないけど、ハットのかぶり方が全然次元大介じゃない。常に顔が出ていて、あの原作のストイックな雰囲気はまるでなし。グイグイ前に出てきて、ルパンとツートップ張っているひとみたいに見えた。あと、全然早撃ちに見えないところも・・・。
そもそも、次元大介のモデルってジェームズ・コバーンだったはず。ジェームズ・コバーンと玉山鉄二、比べるのは残酷だけど、方向が全く違うよなあ、そしてカッコよさの格も違う、と、原作を読みふけった人間はそこに強烈な違和感を覚えたのでした。そして、世界を股にかけた感じがまるでないというのが、日本人にはスケールの大きなものは撮れないのかな、と寂しく感じた点でした。ただ、B級映画を観たような、そういう楽しみはあったかもしれない。・・・いや、なかったかもしれない。なかったか・・・(でも、ダメそうな映画を狙って観るのが好きなの)。