74.スケアクロウ

TLTSA74

曇りだけど暖かな今日は春の園芸解禁日。ベランダを掃いたり、古い土をふるいにかけたり、種を蒔いたり、やることがたくさんあって忙しい。チューリップ開花一番乗りはどうやらピンクの株のよう。既に蕾が膨らんでいる。

夜は、DVDで映画『スケアクロウ』を観た(アル・パチーノ熱冷めやらず)。カリフォルニアで出会った、喧嘩っ早い大男のジーン・ハックマンと人懐っこい小男のアル・パチーノという、性格も体格も正反対のふたりが、北(デトロイトとピッツバーグ)を目指す道中、友情を深めていく物語。こんな地味な映画がアカデミー賞を取っていた時代もあったんだなあ、としみじみ(でも、すごく味わい深い映画!)。ラストは、アル・パチーノが旅の終りに辿りついた一件によって錯乱状態に陥るという、アメリカンニューシネマど真ん中のものだけど、ほかのアメリカンニューシネマ作品とは違って暗さがなく、暖かい気持ちになるところが良かった。
それにしても、アル・パチーノの映画は後をひく。観終えてからもしばらく余韻にひたってしまった。大きな噴水の前で、徐々に精神に異常を来し始めるアル・パチーノの演技は圧巻、せつなかったし、最初は頑ななキャラクターだったジーン・ハックマンが後半では、ストリッパーの真似をしてみせるまでになるところなどもじーんときたし、撮影も良かった。美しかった。←ロードムービーではこれは大事。