65.若冲土牛

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今年も沈丁花が咲き、ヒヤシンスが咲き、レモンの花が咲き、私の部屋はその香りでいっぱい。幸せすぎて眩暈がしそう。

久しぶりに書く日記、一か月近く間が空いてしまった。できるだけノートにその日思ったことを書きつけるようにしてはいたのだけれど、二月は東京を離れていた週もあったし、仕事も立て込んでいて、日記の体裁をとるのが難しくなってしまった。今年は毎日書くのは難しいかもしれない。できる限りでも続けようとは思っているけれど。その代り連載が増えます。頑張ります。

今日は、母が遊びに来たので一緒に山種美術館へ行った。といっても、今回はメインが若冲と大観で、私は若冲がそれほど好きではないので、ささっと観てきたという感じ。既に一回観ている展覧会だったし。今回の展覧会で気づいたのだけれど、私には、日本画を観ているとき、”絵画”と感じるものと”イラストレーション”と感じるものがあって、どうやら”イラストレーション”的と感じたものはあまり好きではないのだと思う。それをどこで区別しているのか、と問われたら、うまく説明できないのだけれども。ただ、若冲も国芳も私に言わせればイラストっぽい。そして、結局、母と私は、いつも通り、やっぱり奥村土牛の絵はいいわねえ、と話しながら帰ってきた。奥村土牛は私の中で、もちろん”絵画”。日本画家の中で一番ぐらい好き。

 

 

60.春の足音

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あんなに心配していたのに、拍子抜けするような天気(昨日から大雪の予報が出ていた)。東京は快晴。青空が広がっている。
考えていた道のりとは違うけど、山種美術館へ行き、『伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―』展を観る。というのも、昨日のうちに、薄曇りの中、家に引きこもっていると気が滅入るから、明日もしも雪が降ったとしても、歩いていける距離にある山種美術館には行こうと決めていたのだ。

展示は、若冲と大観で半分ぐらい、他に奥村土牛や川合玉堂などの絵も。歌川国芳の作品は展覧会後期に展示するらしく、観ることはできなかったのが残念(近いからもう一度来ればいい)。売店で絵葉書数枚と国芳の猫シールを購入。カフェで和菓子とお抹茶をいただいて帰る(ピンクの器と抹茶の緑の彩りが綺麗)。

家に帰ってからも今日は一日中、太陽の陽が差して、エアコンを切って過ごしたほど暖かかった。全国的には大雪だというのに、なんだか東京都民だけ、ぬくぬくと過ごして申し訳ないみたい。夕方、カーテンを閉めるとき、17時半なのにまだ遠く西に太陽が見えて、ついこの間まで17時には真っ暗だったのに、日が延びているんだなあ、と気づかされる。春が近づいている。