09.共喰いとスイートピー

TLTSA09

昨日の疲れが残っていたので原稿を書くのはお休みにして、終日、家事に時間を費やす。白い花台を黒ペンキで塗る、夏物と秋冬物の入れ替えなど。地方によっては驚かれるかもしれないが、温暖化のためか、この時期になっても東京は暑い日が時々あり、ゆえに十二月を前に衣替えもしていてもさほど遅いとは感じない。のんびりしたものだ。

今日は、スイートピーの種も撒いた。去年よりもわさわさ咲かせたかったので、去年の倍の種の量を。それにしても、ネットの画像では国産メーカーだったのに、届いたのは海外メーカーの種でそのことだけは腹立たしい。経験上、発芽率は国産メーカーのほうが断然高い。来年の春、うまく咲いてくれるだろうか。

そして、夜、青山真治監督作品『共喰い』をDVDで観る。性交中、女性に暴力をふるう性癖がある父を持つ息子の話、と聞き、原作の芥川賞受賞作品のほうは、なんとなく恐ろしくて読むのを避けていた。が、映画は非常に面白かった。暴力や殺人がからむのに、父親役の光石研を始め、登場人物がみんなどこか明るくてしぶとくて滑稽で、親の性癖はともかく、途中から、誰しも思春期には親の欠点を自分が引き継いでいるのではと悩むものだよなあ、と、ある種成長譚でも観ているかのような気分になった。原作と映画の結末は違うらしいが、是非原作も読んでみたい。