44.心の健康

TLTSA44

先週の連日打ち合わせで疲れてしまったのか、全然元気が出ない。机に向かう気分にもなれない。年賀の挨拶に電話をかけたついでに妹に愚痴ったら、妹がひとこと。
「初売りでも行ってくればいいじゃん、いま9時47分だけど、お姉ちゃんの部屋からなら10時の開店に間に合うよ」
確かに!行く予定などなかったけれど、その言葉に俄然、その気になり、電話を切って大急ぎで出かける支度をする。そうだそうだ、大晦日にお蕎麦を食べた帰り、Tデパートで目ぼしいをチェックしておいたんだっけ。

そして初売り(=セール初日)に参戦した私はビシッと買うものを買い、初売り期間中は宅配無料だというので配達を頼み、すっかりハイな気分になって帰宅したのでした。家に着くと微熱38度弱。その後、ずっと眠る破目になったけど、心が元気を取り戻したんだから、初売りに行って良かったということよね、ああ、いい一日だった、とひとりごち。
買いものってすごい。一発で効く薬みたい。高いけど。

43.Look Closer

TLTSA43

元旦。いつも通りの時間に起きて仕事を少し。特に出かける用事もなく。

夜、DVDで『アメリカン・ビューティ』を観る。いい映画だった。妻は外に恋人を持ち、高校生の娘は家出しようとする、主人公の中年男性は、広告代理店をリストラされ、ハンバーガースタンドの店員へと転職――要素だけ並べれば、家庭が崩壊していくように見えるのに、実は家族それぞれがどんどん自由を取り戻していく、つまりどんどん真の幸福に近づいていく話だった。そして、ひととしての優しさも一家は取り戻しかけるのだが。なにしろ脚本がいい。タイトルもいい。邦題では削られているサブタイトル、“look closer”。もっとよく近づいて見て、というのは、孤独を感じている人間、誰しもの願いなのかも、と考えたり。だけど、物語は悲劇で終わる。そして、悲劇で終わるのに、それでも暖かい気持ちになるストーリー。そこがまたいい。本当にいい脚本。最後のモノローグが最高。

《こんなことになって腹が立ってるか?
美のあふれる世界で 怒りは長続きしない
美しいものがありすぎると それに圧倒され
僕のハートは風船のように破裂しかける
そういう時は 体の緊張を解く
すると その気持ちは
雨のように胸の中を流れ
感謝の念だけが後に残る
僕の愚かな とるに足らぬ
人生への感謝の念が

たわ言に聞こえるだろう?
大丈夫
いつか理解できる――》

アカデミー賞受賞作と知らずに借りたのだけれど、元旦からいきなりアタリをひいたような気分。

 

 

42.去年の大晦日

TLTSA42

2015年、最後の日。昼寝をしていたら、寝過ごしてしまった。バタバタと支度をし、待ち合わせ場所へと走る。こんな日でも打ち合わせがないとは限らない、それが社会人。
途中、Kさんも合流、Mさんと私、ガラガラにすいたカフェに三人陣取る。来年にはこの計画も現実になるのだろうか。下準備の長いプランばかり抱えているいまの私だけど、予定通り進めば、どれも来年は形をみせるはず。
折鶴を思い浮かべる。羽を広げる瞬間の折鶴を。あんな風にうまく形を成せばいいけれど、どうなんだろう。わからない。先のことは。
帰りにKさんとお蕎麦屋さんへ。Kさんは天ざる。私は鴨南蕎麦。お蕎麦の後、コーヒーを一杯だけ飲んで帰宅。
体が疲れているせいか、年を越す実感が湧かない。今年は最後の最後まで仕事が入っていた。
去年の大晦日は、甥と映画を観ていた。新宿ミラノへ行って、入れなくて(閉館前のファイナル上映)、結局、もちもちでふわふわの『ベイマックス』を観た。はぁ・・・もう一年かあ。