06.子宮に沈める

TLTSA06

ジャズシンガーakikoさんと打ち合わせ。今回はこちらからのお願い。断られることも覚悟して行ったのに、akikoさんの口から出た「千彩さんからの話とあれば・・・」というひとことに驚く。akikoさんの堅気な性格を一瞬忘れ、「私、akikoさんに何か恩義を感じさせるようなことしたかなあ・・・」とそちらの方向で戸惑ってしまった。いずれにしても、頼みごとを快く引き受けてくれるひとは大事にしなければ、と思う。自分が得できるからではなく、それは引き受けてくれる相手の優しさによるものだから。

帰宅後、DVDで緒方貴臣監督映画『子宮に沈める』を観る。大阪二児放置死事件をもとにつくられた作品。ラストシーンは“?”という感じだったけど、カメラワークが個性的でこんな風にも絵を作れるのかと感心する。フレーミングが興味深い。タイトルについては賛否両論あるようだけど、観ればわかるというか、シングルマザーを取り巻く諸問題を、子宮に沈めて(=母性に負わせて)解決できるように考えてしまっていいのか?という投げかけだとわかったので、私は気にならなかった。女性として、子宮という言葉をこういう形で(メタファーとして)使って欲しくないとは思うけれども。