07.未来の自分

TLTSA07

午後、建築士の友人M女史に会い、北欧のインテリア雑誌をめくりながら、好きだの嫌いだの言い散らかす。傍らでM女史は私の話をメモしている。というのも、これは私の部屋の内装の好みを知るためのリサーチ作業で、遊んでいるように見えるけど一応仕事なのです。結局、体調が芳しくなく、一時間ほどで疲れてしまい、あとは後日ということになった。でも、日本の雑誌を見てもイメージがうまく描けなかったのに、洋雑誌を見ていたらぽんぽんアイディアが出てきて、前向きな気持ちにもなってきたのだから、有意義なミーティングだったと思う。例えば、どうでもいいと思っていたことが意外と自分には大事かも、と気づいたり――料理はあまりしないからキッチンは小さくていいけど、花を活けるためのシンクは深く大きめに、とか、私はペンキ塗りが好きだから、ペンキをこぼしても始末しやすいように床は板張りに、とか。要するに、内装の打ち合わせというのは、未来の自分がどんな暮らしをしているか想像する作業ということなんですね。なるほどなるほど。
次回のミーティングまでにパリと香港で暮らしていた時の部屋の写真を用意して欲しいと言われる。それも参考にするらしい。
いままで暮らした中で香港のアパートメントが一番暮らしやすかった。メイドさんもついていたし。