13.冬の始まり

TLTSA13

仕事の休憩も兼ね、横になって読書を一時間。瀬戸内寂聴の短編小説『夏の終り』。文句なしに面白い。僧侶に対してひどい言い草だが、どうも彼女のルックスに嫌悪感があって、今まで私は彼女の作品に手を伸ばしたことがなかった。でも、いまは、ああ、巧いひとなんだなあ、と思う。年上の男と年下の男から同時に愛し愛されする女性の心も、話のディテールも、よくわかるなあ、と思ったし。

この小説を読んでみようと思ったのは、先に映画を観たからで、映画が消化不良だったため。原作はどうなっているのだろうと思ったのだ。
映画に関して言えば、満嶋ひかりが、綾野剛演じる年下の男と性的関係があるように見えないというのが最大の失敗だと思うけれども。というか、満嶋ひかりが童顔なので、男性ふたりがどちらも年上に見えて、なんだかひどく輪郭のぼやけた作品になっていた(原作では主人公の女性の年齢は30代後半)。

夕方、デザイナーのMさんと単行本の打ち合わせ。終わらぬ仕事はないとはいえ、12月中に予定まで進むのか、と不安少々。