18.隠密行動

TLTSA18

香港へは最近行っていないの?と訊かれるけれど、ご心配なく、いままで通り行っています。
秋にも一度行ってきたし、たぶんこの冬にも行くと思う。春節にもね。
ただ、そのことを日記に書くかどうかはわからない。
書きたいことがあれば書くし、書くほどのことでもないと思えば書かない、それだけのこと。
そもそも個人の旅行をいちいち報告する義務などないわけだし。
それに香港旅行なんて珍しくもなんともないでしょ。

それと、別な理由もあって、休載中になっている『香港スタイルミルクティー』の担当編集者に、先月会って、連載再開の打ち合わせをしたのです。
だから、いまはアイディアを練っている段階。ここでちゃんと練っておかないと書けないから、旅の感想はあくまで作品になるまで秘密ということにしておきたいのです(そういうこともあってSNSを離れた)。

それから、香港通いも5年目に入り、パリにもあったように、香港にも在港日本人社会があるというのがわかってきて、人間関係に用心しているところもある。しがらみできると、社交性高いひとはいいけど、私のように社交性低いひとにとっては、いいこと絶対にないじゃないですか。
私はいつも旅行者と居住者の間の目線で街を歩きたい。
それが大事とポール・ボウルズもエドワード・サイードもジェームズ・ボールドウィンも言っているし。
吹けば飛ぶような枚数の原稿しか書いていない私が生意気だけど、ものを作るひとは、ひとりでいられないようでは駄目だと思うのです。そして、秘密を作れないようでは駄目だとも。ね。