35.少年

TLTSA35

今日は小西(康陽)さんのラジオ番組の公開生放送がある――ということで、クリスマス・イヴだというのに、兼ねてから、一度ラジオの収録風景を見学してみたいと強請(ねだ)っていた甥と、夜、私はTBSラジオまで出かけたのだった。

ラジオ局へ向かうタクシーの車中、「サンタさんに手紙書いたの」と尋ねると、甥は「書いていない」という。
「どうして書かないの、プレゼントいらないいの?」
「だって書いてもプレゼントが届かない年もあるし、書かなくてもプレゼントが届く年もあるしさ」
私は妹の顔を思い浮かべ、苦笑した。

「へー、手紙書かないときにどんなものが届いたりするの」
「え?ああ、枝豆育成キットが届いたことがあるよ」
「え!枝豆育成キット?!」
「しかも、育てる鉢が、育て終わったらビール飲むコップになってるの。ははは」
私は妹の顔を再び思い浮かべた。こういうところからして妹と私は性格が違うのだ。

「・・・そんなの選びそうなひと誰だかわかるじゃん!」
すると甥がひとこと。
「ビール好きのサンタさんが選んだんじゃないの?」

幼かった甥も春には中学生。大人になったなあ。