66.タイトル

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午後、Kさんの時間が一時間空いているというので、カフェで待ち合わせ、いま作っている本の判型の相談に乗ってもらう。
帰宅後、デザイナーのMさんに電話で進行の確認を。一週間のうちに私が決めなければならないことを説明してもらう。山ほどの宿題を与えられた気分。
でも、何と言っても今日の収穫は、タイトルが決まったこと。灯台下暗し、みたいな、一番身近なところに一番しっくりくる言葉があった、という着地点。

夜、『ゴッドファーザー パート2』の後半を観る。ダイアン・キートンがアル・パチーノに別れ話を切り出すシーンでいい色のスーツを着ていた。

 

 

65.若冲土牛

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今年も沈丁花が咲き、ヒヤシンスが咲き、レモンの花が咲き、私の部屋はその香りでいっぱい。幸せすぎて眩暈がしそう。

久しぶりに書く日記、一か月近く間が空いてしまった。できるだけノートにその日思ったことを書きつけるようにしてはいたのだけれど、二月は東京を離れていた週もあったし、仕事も立て込んでいて、日記の体裁をとるのが難しくなってしまった。今年は毎日書くのは難しいかもしれない。できる限りでも続けようとは思っているけれど。その代り連載が増えます。頑張ります。

今日は、母が遊びに来たので一緒に山種美術館へ行った。といっても、今回はメインが若冲と大観で、私は若冲がそれほど好きではないので、ささっと観てきたという感じ。既に一回観ている展覧会だったし。今回の展覧会で気づいたのだけれど、私には、日本画を観ているとき、”絵画”と感じるものと”イラストレーション”と感じるものがあって、どうやら”イラストレーション”的と感じたものはあまり好きではないのだと思う。それをどこで区別しているのか、と問われたら、うまく説明できないのだけれども。ただ、若冲も国芳も私に言わせればイラストっぽい。そして、結局、母と私は、いつも通り、やっぱり奥村土牛の絵はいいわねえ、と話しながら帰ってきた。奥村土牛は私の中で、もちろん”絵画”。日本画家の中で一番ぐらい好き。

 

 

64.お年賀

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午後、取材一本、原稿打ち合わせ一本。
帰宅後、微熱。

今日は打ち合わせのとき、お年賀にサシェを頂いた。
いまの時代、お年賀を配る会社があるのか・・・景気のいい会社ってあるんだなあ、と、嬉しさに驚きがプラスされて、いつも以上にものをもらってはしゃいでしまった。恥ずかし。

 

 

63.順番

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午後、打ち合わせ一本。ハニカム鈴木さん。久しぶりに会って話してとても楽しかった。春から連載『香港スタイルミルクティー』の再開を約束する。

それにしても、書くと約束した原稿がどんどん溜まっていってる。一度、リストを作って、どの順番で書けばいいのか、整理しなければ。
この頃、ぼーっとしている時間が多く、どこから何を手をつけたらいいのかわからなくなっている。寒さのせいで呆(ほう)けている。

 

 

62.ストレート・ノー・チェイサー

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取材の準備でセロニアス・モンクのドキュメンタリー映画『ストレート・ノー・チェイサー』を観直す。やっぱり面白い。私のモンク好きも25年を経てしまったと思うと感慨深いものも加わって。

この頃、5年前を最近と言い、少し昔と感じることを20年前と言っている自分に気づく。

明日はハニカムの鈴木編集長に会う。鈴木さんに会うのはいつも少し緊張する。年が近いひとと会う緊張。
年が離れていないと恋愛感情を抱けないというひとが時々いるけれど、わからなくもない。
年が近いと会話が本気の卓球みたいになってしまう。

最近、仕事ばかりしていて、お友達にあっていない。寂しい。

 

 

61.変わり映え

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人間ってそんなに簡単には変わらない。20代ならまだしも、40代ならばなおさら。ということは、この先も、私はお買い物と植物と旅と音楽と洋服と本と映画が好きなままなのでしょうね・・・と書き出してみたら、意外と多趣味だということがわかった。要するに、自分の居心地をよくしたり、居心地のいい場所を探したりするのが好き、ということなんだろうけど。突然、なぜそんなことを考えたかというと、毎日変わり映えしない生活をして、毎日変わり映えのしない原稿を書いているなあ、と思ったからです。机に向かってばかりいると、気づいたところでどうにもならないことに気づいてしまったりするから嫌ね。

 

 

60.春の足音

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あんなに心配していたのに、拍子抜けするような天気(昨日から大雪の予報が出ていた)。東京は快晴。青空が広がっている。
考えていた道のりとは違うけど、山種美術館へ行き、『伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―』展を観る。というのも、昨日のうちに、薄曇りの中、家に引きこもっていると気が滅入るから、明日もしも雪が降ったとしても、歩いていける距離にある山種美術館には行こうと決めていたのだ。

展示は、若冲と大観で半分ぐらい、他に奥村土牛や川合玉堂などの絵も。歌川国芳の作品は展覧会後期に展示するらしく、観ることはできなかったのが残念(近いからもう一度来ればいい)。売店で絵葉書数枚と国芳の猫シールを購入。カフェで和菓子とお抹茶をいただいて帰る(ピンクの器と抹茶の緑の彩りが綺麗)。

家に帰ってからも今日は一日中、太陽の陽が差して、エアコンを切って過ごしたほど暖かかった。全国的には大雪だというのに、なんだか東京都民だけ、ぬくぬくと過ごして申し訳ないみたい。夕方、カーテンを閉めるとき、17時半なのにまだ遠く西に太陽が見えて、ついこの間まで17時には真っ暗だったのに、日が延びているんだなあ、と気づかされる。春が近づいている。

 

 

59.金曜日のショートケーキ

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朝、8時に起きて、9時から昨日の改稿作業の続き。10時に終わらせ、担当者にメールで送る。それから、経理作業をひと通り。今月も月末がやって来た、という感じ。
夕方、事務所スタッフYと休憩を兼ねた打ち合わせ。近所のカフェでケーキセット(苺のショートケーキ)。今日は眠くて眠くて仕方がない、とこぼしたら、週の終りだから疲れが出てきたんじゃないですか、と返される。それもそうかもしれない。曜日を意識することは少ないけれど、今日は確かに金曜日。「たくさん寝てね!」というお医者さまの声を思い出す。

最近は、9時から仕事を始め、5時には終わらせるよう心がけている。夜は、できるだけ机から離れ、寝室で過ごすように。例えば、本を読んだり、書きものをしたり、映画を観たり。2016年版「人間らしい生活」模索中。

今日から水木しげるの『昭和史第1巻』を読み始めた。第1巻は関東大震災から満州事変まで。全8巻、是非読破したい。そういえば、夜、Tさんとスカイプで話したら、Tさんも最近水木しげるの『総員、玉砕せよ!』を読んだとか。本屋にあまり足を運ばないから、流行がわからないのだけれど、水木しげる、いまブームになっているのだろうか(追悼ブーム?)。

 

 

58.ゴッドファーザー

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東京大雪。積雪6センチ。

夜、『ゴッドファーザー』を鑑賞。こんなに映像が綺麗な映画だとは知らなかった。どうしていままでこの映画を観なかったのだろうと感動しつつ悔やむ。ネオンの綺麗なイタリアンレストラン、ドン・コルレオーネの可愛らしいトマト畑、お葬式のシーンの墓地にお花を摘んだ車がどんどん入って行くところ・・・美術が隅々までいい仕事している!それもそうよね、考えてみれば、コッポラは『ワン・フロム・ザ・ハート』の監督だもんね、とひとりごち。そして、ここのところ、アル・パチーノの作品を立て続けに観て、彼の魅力も段々わかってきた。アル・パチーノ、好きになるかもしれない(役者として)。『ゴッドファーザー』はパート2が一番面白いと言われているから、続きを観るのがいまから楽しみ。

 

 

57.ことらちゃんの冒険

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昨日の午後、血の毛が引いていくみたいに空が曇り始めたと思ったら、見事なまでに今日は陽がささない(写真は昨日撮ったもの)。明日は雪が降るという。特に出かける用事もない私は、午後、チューリップの球根を植える。残しておいた最後の8個。5個を水栽培に。3個はセラミスグラニューで。
去年も土に埋めない方法で咲かせる挑戦をしたのだけれど、根は伸びたものの、芽が延びなかった。今年こそ、と期待をかけているのだけれど、どうだろう(今年は今年で多少の工夫はしています)。
デンドロビウムの手入れを済ませ、先週編集者からいただいた絵本『ことらちゃんの冒険』を読む。やっぱり水彩画はいいなあ。ウェブマガジン《memorandom》でもイラストレイターの小野寺(光子)さんに水彩画の連載をお願いしているけれど、水彩画ってホント、透明感があって美しいと思う。原稿があがってくるたび、その美しさに心を奪われ、わあ、きれい!と声をあげてしまう。